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リラ冷え

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先日亡くなられた渡辺淳一さんの小説「リラ冷えの街」で有名になった言葉ですが、この言葉を最初に使ったのは昨年96歳で亡くなられた俳人榛谷(はんがい)美枝子さんさんという方でした。 写真は見頃を迎えたリラ(ライラック)の花です。

 

昔からある言葉に「花冷え」という言葉があります。この花は桜を指しています。本州が梅雨入りする頃、北の国は最高の季節を迎えますが、急に冷え込む時があり、その気候に当てはめた造語です。
 リラ冷えやすぐに甘えてこの仔犬(こいぬ)(1960年)
が最初に使われた句でした。
 リラ冷えや落付かぬ日は廊下拭く(1966年)
 リラ冷えや啓示素直に待つことに(1997年)
生涯6冊の句集で「リラ冷え」を含む句は二十余り。渡辺淳一さんが「リラ冷え」という言葉を知った経緯にエッセイで触れられています。

Rilac_rirabie

 いま、この植物園を管理されているのは、北大農学部の辻井達一助教授である。「リラ冷えの街」という小説を書くとき、この方をモデルにさせていただいた。彼の実生活がそうだということではなく、助教授で植物園に勤めているという情況設定だけをお借りした。この題名の「リラ冷え」というのは、日本語の正規の言葉としてはないはずである。
たまたま辻井さんの本の中に、榛谷美枝子さんの句が紹介されていて、そのなかに、

 リラ冷えや十字架の墓ひとところ
 リラ冷えや睡眠剤はまだきいて

の句があった。
私はこのあとの句がとくに気に入ってる。

エッセイ集「北国通信」(1981)に所収 『リラ冷えのころ』より

 上記の中にある「辻井さんの本」というのは元北海道大教授の辻井達一(たついち)さん(2013年1月死去)が北大植物園勤務だった1970に出版した「ライラック」( 北海道テレビ社長室 1970(HTBまめほん))というまめ本です。

 それを読んだ作家の渡辺淳一さんが70〜71年に新聞連載「リラ冷えの街」に小説の題に引用したという経緯だった訳です。

 この新聞が「北海道新聞」道内シェアは現在でもほぼ50%、当時は70%くらいあったかもしれない新聞で、毎週日曜日にリラ冷えという言葉を目にした道民には普通の言葉として認識していったのだと思われます。お天気を表す言葉なので今夜あたり、道内の天気予報では「明日はリラ冷えになりそうです」なんて言葉も聞かれそうです。今週末までが大通公園のライラック祭りでまさにのタイミングです。

 この言葉を作った榛谷(はんがい)さんも、それをエッセイで紹介した辻井さんも、そのエッセイで知って新聞小説の表題に使った渡辺さんも全員お亡くなりになっています。それぞれの思いをご本人から聞くことはもうできなくなりました。「リラ冷え」は渡辺淳一さんの造語としているような文章も散見されますが、渡辺さんがいなければここまで広がることはなかったとは思いますが、作ったのは俳人協会北海道支部長も務められた榛谷(はんがい)美枝子さんという方でした。その句集は生前6冊、一覧はこちらで

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コメント

「リラ冷え」、この文学的な響きがいいですねぇ。
渡辺淳一の「リラ冷えの街」の発端がよく
わかりました。

投稿: ポッチ~ | 2014.05.25 20:36

ポッチ〜さん
そうですね。ら行2音の言葉ってそうないですよね
。瑠璃、薬のルル 位しか思いつきません。4音というのも俳句には使いやすいですよね。
あちこち調べてみたのをまとめてみたのですが、繋がりました。たまには楽しいものです。

投稿: 惑 | 2014.05.26 12:38

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