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仏さまになってしまったSさん

 仕事でお世話になった、取引先相手の課長さんがなくなられるという事件が月曜日にあって今夜がお通夜でした。

 7,8年前まだ係長だったSさんとはいろんな仕事を一緒にやらせていただきました。無理も頼まれましたが、こちらの無理をお願いしたほうが多かったかも知れません。大きなメーカーが良い仕事をするとは限らない。地元の小さな会社でも、長く付き合えてキチンとした仕事をしてくれるなら、そういう人たちと一緒に仕事をしたい。と機会を与えてくれていた係長さんでした。
 いろんな事情があって疎遠になっていましたが、今年また一緒に仕事をする機会に恵まれました。Sさんは課長になっていて数年かかる大きなプロジェクトに重要な立場で関わっていました。「惑さん、またよろしく頼むね。」「いえいえ。Sさん、こちらこそ。」そんな会話を笑顔で交わしていたのでした。

 あまりプライベートのことは存じ上げていなかったのですが、北海道T市出身、30歳で結婚、結婚10年目に待望の長女誕生、48歳で自宅として一戸建てを建築。引っ越したのがその年の10月28日。そして自分の城から初出勤の11月1日の朝、Sさんはシャワーを浴びていて急に倒れて意識不明となり、2時間後の午前9:00には帰らぬ人となってしまったのです。
 本当に沢山の弔問客でした。焼香の客に頭を下げる奥様と娘さん。状況がわかっているのかいないのか、教えられたとおりにという感じで、時折母親をみながら、笑顔でペコリ、ペコリと頭を下げている8歳のお嬢さんの姿が印象的で、目頭を熱くさせました。
 
 お経の後の法話でお坊さんがこんな話をされていました。
「「往生するとは(仏の世界で)生き(るため)に(向こうの世界へ)往く」ことであり、「生前お世話になった」というのは「(向こうの世界で)生きる前に」という意味なんです。」
「皆さん、お線香をあげて故人をしのんでお参りをされるけれども、故人は亡くなられたのと同時に、仏様になられて満たされた状態になっているんです。こちらから向こうに何かをしてあげるのではなくて、向こうから何かを授かる。してもらうのが実は正しいあり方なのです。」
「身近な人が仏様になられて、その仏様と向き合って、自分を見つめ直すことこそ、葬儀の場の意義なのです。今の生き方でよいのか。これから自分はどう生きていくべきなのか。健康で長生きが一番だというお年よりは少なくないですが、人は必ず死にます。健康で長生きというのは生きていく目標にはなりません。自分が進むべき方向を持っていないと迷うことになります。」

 Sさんとはほぼ同世代、会社間の取引相手とは言え一緒に仕事をした人の突然の死。誰にでも優しいあの人懐っこいSさんの笑顔に会うことはもう出来ません。「惑さん、頑張って頼むよ、あの仕事。」「健康にはお互い気をつけようね。あ、僕はちょっとだめだったけど」「新しい家の無線LANの話したかったのになぁ。新しい技術の話、わかりやすくまた教えてよ。こっちでも使えるかもしれない。ははは・・・」そんな 声が聞こえてきたような気がしたお通夜でした。  合掌・・

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