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いかりや長介さんの自伝

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 「おいーっす!」という挨拶で始まる「全員集合!」の掛け声は忘れない。いかりやさんが演じていた職場の上司、学校の偉い先生、何かやる部隊の隊長・・。今考えてみれば、世の中に出たときに接する大きな大人の人の象徴でした。実際に社会に出てみると、あなたのような優しい目をした、そして厳しい大人はいませんでした。
 ワースト番組と言われていたけれど、あのコントの中から世の中基本はこうなんだって学んでいたような気もします。要領の良い奴も悪い奴もいる。力のあるやつないやつ。真面目な奴、いいかげんな奴。いろんな奴がいるんだと、でもいざとなれば、皆一緒に頑張るんだと。頑張ったからといって報われるわけではなく、大抵は失敗することのほうが多いことも教わっていたような気がします。
 踊る大走査線の和久平八郎の渋さの後ろに加藤や志村を怒鳴りつけていた隊長の面影を知らず知らずのうちに重ねてみていたかもしれません。

 「だめだこりゃ」と題された自伝が2001年に出版されています。1931年東京生まれ。ジミー時田さんが率いるバンドのベーシストとして米軍キャンプやjazz喫茶でミュージシャンとしてやっていたのが1960年初頭。何と日本で最初にフェンダーのエレキベースを持ち、チョッパー奏法もどきの独自スタイルで演奏していたのがいかりやさんだそうです。そんな話も出ています。バンド時代に世話になったジミー時田さん、初期のメンバーの荒井注さん、二人が相次いで2000年に亡くなりました。
 「何ともいえない気持ちでした。二人の生涯は本という形で世に残らなかった。このまま風化していくのもしゃくにさわる。私がやらなきゃ。自らの記録とともに残そうと思うようになりました。今では、彼らから『お前がやれよ!』と言われた気がします」 出版のインタビューでそう答えていたいかりやさん。機会があったら彼が残した自伝「だめだこりゃ」 「全員集合!」が懐かしい世代に一読をお勧めします。

本名 碇矢長一、1931年11月1日生 
    いかりや長介(ハナ肇さんの命名) 
    2004年3月20日 逝去 享年 72歳

合掌

冒頭の写真は手元にあった新潮文庫(2003年出版) 438円

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